1967-12-15 第57回国会 衆議院 法務委員会 第3号
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のような事例がかりに日本で行なわれたということになりますと、日本の少年法では、十六歳に満たない者に対しては検察官送致ができないという規定があるわけであります。したがいまして、十六歳未満の者でございますと、刑事処分に付されないということになりますので、家庭裁判所でいろいろ環境その他を調査いたしました上で、一番重いと申しますか、少年にとってはきびしい処分になりますが
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のような事例がかりに日本で行なわれたということになりますと、日本の少年法では、十六歳に満たない者に対しては検察官送致ができないという規定があるわけであります。したがいまして、十六歳未満の者でございますと、刑事処分に付されないということになりますので、家庭裁判所でいろいろ環境その他を調査いたしました上で、一番重いと申しますか、少年にとってはきびしい処分になりますが
○細江最高裁判所長官代理者 少年法二十四条に記されておりますのは、少年に対する保護処分の種類を定めておるわけでございます。それは一項の一号から三号までございまして、一号が保護観察、二号が救護院、養護施設、三号が少年院送致ということになっておりまして、非行を犯した少年に対しましていろいろ素質の調査等をいたしまして、その少年に見合った処分として少年院に送る、あるいは救護院あるいは養護施設に送るということになっておりますけれども
○細江最高裁判所長官代理者 ただいまの神近委員の御質問でございますが、少年法改正に関しましては、昨年の五月に法務省から少年法改正に関する構想が発表されたわけでございます。それに対して、私どもは昨年十月、この構想に対する意見というものを事務総局から発表いたしましたが、それは、いまお尋ねの少年年齢を十八歳に引き下げるという案でございませんでして、年齢についてはやはり現行少年法を維持すべきであるという意見
○細江最高裁判所長官代理者 ただいまの交通切符の問題でございますが、少年に対する交通切符が全面的に実施されましたのは御指摘のとおりでございます。しかし交通切符の実施状況は、成人と少年とは全く違っておるわけでございます。少年の場合は単に送致するという手続だけでございます。家庭裁判所に参りましてからは、普通の少年と同じように取り扱っておるわけであります。したがって、少年に実施したということは、いわゆる警察捜査段階
○細江最高裁判所長官代理者 この反則金通告制度そのものを成人に適用する場合につきましても、私どもはある程度問題点があるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。特に少年の場合につきましてはなお一そう問題点があるというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、いま細谷委員から御指摘のように、交通違反あるいは事故少年については免許証を与えたのだからおとなと同じじゃないかというふうな御指摘
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま申し上げました数字は、少年の道路交通違反事件に限っての数字でございます。したがって、道路交通に伴うところの事故、いわゆる業務上過失致死傷事件は含んでおらないわけでございます。
○細江最高裁判所長官代理者 いまお尋ねの点を申し上げる前に、大体家庭裁判所は道路交通違反事件に対して、どういうふうな基本的な態度で処遇しておるかということを申し上げたいと思います。申すまでもなく、家庭裁判所における交通違反少年の処遇は、事故防止、いわゆる交通の安全確保ということ、並びに少年の再犯防止という観点から、最も効果的な処遇を行なっておるわけでございます。 少年は、御承知のとおり非常に教育の
○細江最高裁判所長官代理者 反則金通告制度を少年からはずした理由につきましては、ただいま警察庁長官からお話があったわけでございます。私どももいろいろこの問題について検討してみたわけでございますが、大体この反則金制度の立法趣旨と申しますか、根本精神と申しますか、これはやはり大量事件の手続を迅速にするという点、それから第二番目には刑罰効果を維持する。いわゆる大量の交通違反者に対して罰金を科するということになれば
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまの御質問の点でございますが、私の手元に参っております辞任届けの写しは、四月三日付ということになっております。したがって、一月に辞表が出されたというふうには私理解しておりません。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) その点につきましては、私案は新聞の記事のただいま御指摘の点は承知いたしておらないのでございますが、本年の四月三日、本人からは病気ということを理由に辞任の届けが出まして、東京家庭裁判所ではそれを受理しておるわけでございます。その間の事情につきまして、実は東京家裁のほうに尋ねてみたわけでございますが、東京家庭裁判所といたしましては、辞任の辞表を受理する際には本件のような
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまの御指摘のとおり、この調停委員は三十七年に東京家庭裁判所の調停委員に選任されまして、本年の四月三日に辞任をいたしております。
○細江最高裁判所長官代理者 現在講習会をやっておりますのは、大体相当多数の各地方でやっておりますが、代表的な東京家裁の実情を御説明申し上げますと、東京家裁におきましては、自庁講習としまして第一種講習と第二種講習というものがございます。 第一種と申しますのは、これは毎週水曜日の午前、午後二回にわたりまして、毎回五十名ずつ集めて講習いたしております。これはどういうことを講習しておるかと申しますと、交通事故
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま大竹委員から、少年に対する家庭裁判所の道路交通法違反事件における処分がどうも甘いんじゃないかという質問でございましたが、私ども決してそうは考えておらないのでございます。 処分の実態を申し上げますと、たとえば昭和四十年度におきましては、少年の既済事件は道路交通事件が八十一万六千件ございます。そのうち四十七万件が不開始、いわゆる五七%が不開始、それから不処分が十五万七千件
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のとおり、昭和四十年度の交通違反少年の数は八十四万二千件というふうに、非常に膨大な数字になっております。これは少年法が施行されました当時は、実は少年の交通違反事件というものはほとんどなかったわけでございます。したがって、少年法自体に、道路交通違反事件についての少年の保護処分の処理というものをほとんど予定しておらなかった。ところが、戦後、御承知のとおり自動車の
○細江最高裁判所長官代理者 非行少年の再非行を防止するということは、これは裁判所だけの努力ではやはり非常にむずかしい困難な問題でございます。裁判所といたしましても、やはりあらゆる社会資源を活用して少年の再非行を防ぐ、あるいは少年の不健全を防ぐということを考えてまいっておるわけでございます。その社会資源の一端といたしまして、個人に非行少年の補導を委託する場合がございますし、また、ただいま御指摘のように
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま宣告猶予というお話が出ましたのですが、宣告猶予の制度は少年法にございませんので、むしろ試験観察の問題でないかと思います。これは少年法第二十五条に基づきまして、少年の行動を観察の上、終局処分するかどうかということをきめるために、一時その少年の身柄を調査官の観察に付する、あるいは補導委託先に補導委託いたしまして、その間の行動を観察して、少年の動向というものを見ながら、
○細江最高裁判所長官代理者 実は、少年法改正につきまして、先ほど申しました二月に私ども意見書を発表いたしましたけれども、その際は、まだ法務省の改正構想というものはまとまっておらなかった時期でございます。ところが、御承知のとおり、昨年の五月に法務省におきまして少年法改正構想というものを発表されたわけでございます。これは普通の法改正作業から申しますと、全く異例の方法であろうと存ずるわけでございます。と申
○細江最高裁判所長官代理者 いま岡沢委員から、三権分立のたてまえから見て疑問があるのじゃないかというお話でございましたが、実は岡沢委員のおっしゃる三権分立ということについて、私、誤解しておるかもしれませんが、この少年法改正問題につきましては、御承知のとおり、すでに数年前から大きな社会的な問題となっており、私ども最高裁判所といたしましても、少年非行を扱っておりますところの現場の家庭裁判所の裁判官の会同
○細江最高裁判所長官代理者 ただいまの岡沢委員の御質問は、おそらく昨年の二月、最高裁判所の家庭局から出しました「最近の少年非行とその対策について」という文書についての御質問じゃないかと思いますが、そういう文書を発表したことはございます。
○説明員(細江秀雄君) ただいまの私の説明が非常にまずかったために意味がおくみ取りいただけなかったかと思いますが、先ほど申しました基本的構造と申しますのは、いわゆる現行少年法の基本的構造のうちの、家庭裁判所がいま保護処分に付するか刑事処分に付するかのえり分けをやっておりますが、そういうような構造を変える必要はないということでございますけれども、検察官先議については私どもとしては賛成しがたいというわけでございます
○説明員(細江秀雄君) 最高裁判所の事務総局といたしましては、現在の少年法の基本構造あるいは基本的理念というものについては変更する必要がないんだというのが結論でございます。ただ十七年の家庭裁判所の運営の実績に徴して改善すべき点は、ほかに審判手続の改善とかその他ございますので、そういう面についてはすみやかに改正したほうがよろしいという意見でございます。
○説明員(細江秀雄君) 法務省のほうから去る五月に、少年法改正に関しまして改正構想というものが発表されましたので、最高裁判所といたしましては、その発表直後事務総局内に少年法改正問題協議会というものを設けまして、現場の裁判官なんかを交えて種々検討してまいり、また全国の高等裁判所長官、家庭裁判所所長会同を開催いたしまして意見を求めました結果、最高裁の事務総局においていろいろこの問題を検討しまして、去る十月十八日
○細江最高裁判所長官代理者 それは昭和三十何年ごろですか。
○細江最高裁判所長官代理者 別に「適当な」という基準はきまっておりません。これは先ほど申しましたように、首席調査官が社会資源を開発いたしまして、そして裁判官にこういう補導委託先があるということを報告いたしますと、裁判官がその施設の内容、あるいはその主管者等の人物をよく検討いたしました結果、この人に預ければ少年はよくなるというふうに認定いたしますと、そこに預けるということになるわけでございます。 ただ
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま志賀委員からお尋ねの補導委託施設の問題でございますが、家庭裁判所は、少年法二十五条によりまして試験観察をいたすわけでございます。試験観察と申しますのは、その少年を調査いたしまして、審判をするにつきましてはまだ資料が集まらない、もう少し少年の動向を観察した上で適正な処遇をしたいというような場合に、少年法二十五条にのっとりまして試験観察に付するわけでございます。この試験観察
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) 最高裁判所の見解としては、まだ固まっておりません。ただ、従来家地局が主宰しますところの会同などであらわれましたところの実務家の見解というものをとりまとめ、また、その見解について私どものほうで検討した結果をそこに書いたわけであります。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまお尋ねの点でございますが、少年法改正問題は従来からいろいろと論議されておりますので、また、私たちのほうの実務家の会同でもしばしば問題に取り上げられまして論議を尽くされておりました結果、それらのいろいろの従来の会同なんかでもあらわれました議論の結果をまとめまして、少年法改正の問題とともに最近の少年非行の趨勢ということについてやはり世間一般の方々に認識していただきたいという
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) 正確な数を申し上げますと、昭和三十五年度におきまして、試験観察の決定は、一万三千七百八十一件、受理件数に対する比率は一・八%でございます。三十六年は、総数が少し減りまして一万二千十六人、パーセンテージは一・四%、三十七年は、一万五千百八十六人、パーセンテージは一・六%、三十八年は、二万三千六百一人、パーセンテージニ・四%、三十九年は、三万四千十五人、パーセンテージ
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) これは、全体の事件の割合と比較いたしまして、年々試験観察の数は増加しておるということでございます。その割合のみならず、絶対数におきまして試験観察の数は年々増加しております。たとえば昭和三十九年度は、三万四千名余りが試験観察になっておるとただいま配慮しております。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまお尋ねの試験観察が減ってきているのじゃないかということでございますが、実は試験観察は年々むしろ増加しておるというのが現状でございます。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) 二十八年以来の男女別の合格者の数は、現在手元に資料を持ち合わせておりませんので、後ほど資料として提出いたしたいと思います。現在、男女どちらが多いかというお尋ねでございますが、概数を申し上げますと、やはり最近は女性の合格者のほうが多いということになっております。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいま仰せの点は、後ほど資料を整えまして提出いたしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまのお尋ねでございますが、従来、家庭裁判所調査官は、当初は裁判所につとめておりました書記官あるいは事務官その他の機関から家庭裁判所調査官に採用しておったわけでございます。したがって、従来は、むしろ法律上の専門の調査官が主たる要員であったわけでございます。しかし、家庭裁判所の科学性――いわゆる少年事件あるいは家事事件におきまして、医学、あるいは心理学、社会学
○細江最高裁判所長官代理者 補導委託の内容は、事務費と事業費でございます。事務費といたしましては、委託先の職員の給与、旅費等を含むところの職員に要する経費並びに備品費、文具費等を含む事務執行に伴う経費、これらを事務費と申しております。そのほかに事業費がございまして、事業費は、まかない費と炊事諸費と光熱費、被服費、寝具費あるいは日用品、教養費、保健衛生費等を含んでおるわけでございます。
○細江最高裁判所長官代理者 養護施設につきましては、厚生省で基準をきめられておりますし、更生保護会につきましては、やはり法務省のほうでおきめになっております。ところが、私どもの利用しておりますところの民間の施設につきましては、一定の基準というものは、最高裁判所としてはきめておらないわけでございます。私どもは、少年の補導のためには、あらゆる社会施設を活用するわけでございますが、その補導委託先の開拓は、
○細江最高裁判所長官代理者 ただいまお尋の点でございますが、家庭裁判所におきまして行なっております試験観察の問題であると理解しておりますが、ただいま仰せのごとく、家庭裁判所は、送られてまいりました少年の環境調査、あるいは資質調査をいたしまして、その結果最終決定をいたすわけでございますが、その最終決定をいたすにまだ資料が足らない、あるいはもう少し少年の行動観察をした上で適正な処分をきめたい、こういう場合
○細江最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の、不開始、不処分が非常に多いのじゃないかという点でございますが、不開始、不処分はなるほど全事件からいきますと七〇%近くございますが、しかし、不開始、不処分ということば自体は、裁判所は何もせずに少年を野放しにしてしまうんだという印象を受けられる方もおありかと思いますけれども、しかし、家庭裁判所といたしましては、非行の原因あるいはその環境、あるいは本人の資質というものを
○細江最高裁判所長官代理者 ただいまお尋ねの年齢問題でありますが、御承知のとおり、旧少年法時代におきましては、年齢は十八歳以下を少年というふうにいっておったわけでございます。ところが、戦後の憲法改正に引き続いたところの各法律の改正の際に、少年法は当然改正されたわけでございますが、その際に二十歳以下を少年とするということで、年齢が二十歳というふうにきめられたわけでございます。しかし、その少年法が改正されました
○細江最高裁判所長官代理者 お答えいたします。ただいま御質問の点でございますが、よく保護主義ということばが使われているわけですが、いま御指摘のように、保護主義ということは、何だか少年を甘やかすんじゃないかという認識を与えるおそれがあるわけでございます。私どもでは、保護主義ということばはもちろん使いますけれども、それは教育主義ということばとほとんど同意義でございまして、少年に矯正教育を施して再び非行を
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいま御質問の点でございますが、昭和三十二年と思いますが、当委員会におきましても、ちょうどだだいま稲葉委員からの御質問と同じような御質問が出まして、当時、私どもといたしましても、家裁の調査官のレフュリー制度を、ある程度審判に関与させてはどうかという問題を考慮し、検討するということをお答えいたしたわけでございますが、現在もやはりレフュリー制度の問題につきましては
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまの御質問でございますが、全国の家庭裁判所で十四カ庁が独立の家裁でございまして、その十四カ庁の独立の家裁はもちろん専任の裁判官が少年事件及び家事事件を担当しております。そのほか、所長が兼任庁の家庭裁判所におきましてもなるべく家事係あるいは少年係は一名ずつは専任の裁判官を置いていただくというふうに私どものほうでは希望しておりますし、また、現場でも大体そういうふうにされているところが
○最高裁判所長官代理者(細江秀雄君) ただいまのお尋ねの点でございますが、家裁の少年の道交法の事件の処理につきましては、家裁の調査官は、少年の資質それから環境、そういうものを調査いたしまして、最後の審判は裁判官がやっておるわけであります。ただ調査官にまかしてしまうということはございません。最終決定はやはり裁判官がいたしております。